1.人事への第一歩は、「はたらく女性のアイコン」との出会いでした。
— 就職を意識したタイミングは、いつ頃でしたか?
池照:わたしは、アメリカで学校を終えて、帰国したのが7月。
時はバブル後期だったので、周りの友達は女子大とかを卒業して、
お寿司を食べに連れて行ってもらって、大手町のOLになっている
ような時代、それを見て、わたしは帰国しているんですよ。
だから、絶対、自分も日本に帰ってきたらお寿司を食べに
連れて行ってもらい、ディズニーランドのチケットをもらって
大手町のOLになるんだって思ってたんです。
— そんな人たち、いました?
池照:わたしの世代は、いたんですよ。
まだ短大卒の方が就職率が高いと言われていた時代ですから。
ただ、やりたいなと思っていたことは、
ビジネスの世界には入りたいなと思っていました。
— ビジネスの世界ですか?
池照:要は、会社に勤めてみたいと。
わたしは、両親ともに会社勤めをしていない環境で
ビジネスの世界に憧れがあったんですね。
それで、日本に帰ってきて就職活動しようと思ったんですが、
就職活動ってやり方が分からない。
仕方がないので、ジャパンタイムズの求人欄を見て
片っ端から履歴書送ったんです。
20社に送って、一次面接に呼んでくださったのが3社、
2次面接までいったのがゼロでした。だから全滅なんですよ。
— それは新卒を採らないということで?
池照:そもそも、ジャパンタイムズに出している企業は、
ほとんどが中途で即戦力になる人を探している訳ですよね。
でも、仕組みが分からず、とりあえず履歴書出していったんですけど
まあ、全滅なんですよ。
「あぁ、就職ってできないものなんだな」
っていうのをすごく感じました。
アメリカで勉強してきたのが、
”Teaching English as a second language(第二外国語教授法)”
という資格を取ってきていたので、
英会話学校は採用の可能性があるかと思っていました。
そこで、英会話学校で就業経験してからビジネスの世界に入ろうと
考えました。英会話学校をいくつか受けて、
入れて頂いたのがECCだったんです。
— キャリアのスタートは英会話学校だったんですね。
池照:当時、ECCでは、自分の就業時間以外の時間には、
ECCにある希望するコースを社員が半額で受けられるしくみが
あったんです。「あっ、これはいいな」と思って。
入社して1年の間に、秘書検定とかワープロ検定とか、
要は日本でOLになるためのスキルに関係する資格のコースを
受けまくりました。
— 1年って決めていたんですね。
池照:はい、きっかり1年と決めていました。
そして、1年後に転職活動を始めて、マスターフーズに入社すること
ができました。
いくつかの企業からいただいたオファーは秘書業務だったのですが、
マスターフーズだけが、人事部のアシスタントでした。
当時は、「人事部ってなんだろう」って、全くわかりませんでした。
でも、面接にいってみたら、自分の上司になる方が
とても素敵な女性の方で
「この方と一緒に仕事ができるなんて、なんて素敵なことだろう」
と思い、何やるか分からないけど入っちゃいました。
それがマスターフーズですね。
— その女性と仕事をすることになって、いかがでしたか?
池照:本当に素晴らしい方でした。
実際にわたしの上司だった期間は1年くらいだったんですが、
会社員としての基礎の部分を教えていただきました。
その後、彼女、違う部署に移動したんですけど、
ずっとお付き合いは続いていて、
今でも、お会いしてお話させていただく機会があるんです。
— もう、すでにそこで憧れの存在に巡り合っているんですね。
池照:そうですね。
「こんな風に働き続けて、こんな女性になりたいな」
っていう理想像は、そこで出来たと思います。
ちょうど、彼女がわたしより20歳上なんですよ。
わたしにとっては「はたらく女性のアイコン」みたいな方です。
— 若い時期に、そういう方に逢うか逢わないかって大きいですね。
池照:今考えたら、そうですね。わたしは非常にラッキーだったと思います。
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